代表理事ご挨拶

 

 平成22年1月29日鳩山内閣の施政方針演説のなかで『健康寿命を伸ばすとの観点から、統合医療の積極的な推進について検討を進めます。』という発言がありました。その結果、多くの補完医療の業界は色めき立ち、医師会は直ちに懸念を表明しました。現在でも医療従事者のなかから「統合医療」に対する否定的な意見がよく聞かれます。

 

 政府も、もはや「統合医療」を無視することはできず、厚労省医政局が実施する「統合医療」のあり方に関する検討会のなかで、

『「統合医療」の各療法について、安全性・有効性等に関する科学的知見を収集するとともに、これらを基にして必要な情報を広く発信していくことによって、患者・国民及び医師が療法を適切に選択できるようにすることが重要である。』

と今後の取り組みについて立場を表明したものの、具体的な臨床における実施においては、結論を出すことができずにいます。

 

 補完医療には、科学的根拠は未確立だが有効性が期待できる療法から、科学的にナンセンスな理論に基づいた療法であったり、西洋医学との相互作用が懸念される健康食品だったり、玉石混淆の状態が続いています。正しい情報の収集や提供は必須であるのは間違いありません。しかし、多くの国民が今日も実際に補完医療を利用しているのです。限られた情報のなかから、臨床現場の医療従事者のために、適切な対応の指針を早急に提示しなければなりません。現補完医療の十分な科学的知見が得られて、適切な療法の選択が可能となるのを待ってはいられないのです。

 

一般社団法人日本統合医療支援センターは、正しい「統合医療」の概念の普及に努め、実際に補完医療を利用している患者さん、これから利用するかもしれない患者さんのために、医療機関が補完医療と適切に連携し最大限に利用できる診療戦略を提案していきます。

 

一般社団法人日本統合医療支援センター 代表理事 織田聡

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